再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「別れる時、アイツは嫌だとごねたんだ。俺は付き合ったのも渋々だったし、アイツと話すのも面倒になり、そのままスルーしようとしたんだ。だけど貴臣が中途半端にしているといつまで経っても付きまとってくるぞと脅してきたんだ。それだけは絶対に嫌だったので、お前のことは一ミリも好きではないと突っぱねたら諦めたのか、何も言ってこなくなった」

一ミリも好きじゃないというのは、ちょっとキツイ一言だな。
そんなことを言われたら、私だったらしばらく立ち直れないと思う。

「だけど、偶然にも取引先に勤めていて仕事で顔を合わせるようになった。アイツは昔の出来事は忘れたかのように何度もアプローチしてきたんだ。接待も、別に堂島は来る必要はないのに上司に上手く取り入って参加してるし。この前もまさかマンションの部屋までついてくるとは思わなかったよ」

ウンザリしてため息を吐く。
堂島さん、あんなことを言われていたのに懲りてなかったなんて驚きだ。
かなり図太い人なのかもしれない。
そうじゃなきゃ、一度しか会ったことのない私に邪魔しないでなんて言えないと思う。
自分中心で世界が回っているように見えた。

こうして堂島さんとのことを包み隠さず話してくれるテツに誠実さを感じる。

「でも、あの日に美桜がいてくれてよかったよ。俺の好きな人だって言えたしな。これでホントに美桜が彼女になってくれたらいいんだけど」

優しい笑みを浮かべ、テツの指が私の頬に触れた。
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