再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「美桜は俺の婚約者だぞ。将来、結婚する相手がいる女を想い続けても時間の無駄な上、あんたの恋は実らない。だったら、スッパリ美桜のことは諦めて他を探した方が絶対にいい。あんた真面目で男前だし、何より一途な男だからすぐに見つかるよ」
なぜかテツは斉藤さんを励まし褒めていた。
しかも上から目線で何様?って感じなんだけど。
「本当にそう思うか?」
「あぁ、俺が保証する」
斉藤さんが確認するように聞けば、テツは自信ありげに親指を立てた。
何このやり取り。
しかも、保証するって何を根拠に?
テツの言葉に納得したのか、斉藤さんは妙にスッキリとした表情になっていた。
え、どういうこと?
斉藤さん、単純すぎると思うんだけど。
「ナツキさん、僕が気付かないうちに君に不快な思いをさせていたみたいで本当に申し訳ない。でも、君の笑顔に救われたんだ。それだけは分かって欲しい」
私は静かに頷いた。
車に乗せられそうになった時は、焦ったし大事になると思ってた。
でも、斉藤さんはテツの言葉はひとつでコロッと変わってしまった。
話せば分かる人だったのかな。
何だか拍子抜けだ。
「さっきは乱暴に腕を掴んですみませんでした。もう君に迷惑をかけるようなことはしないと約束する。じゃあ、元気で」
「私もバッグをぶつけてごめんなさい」
斉藤さんは首を振り微笑むと、止めていた車に乗って街中へと消えて行った。