再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「礼なんていいよ。当たり前のことをしただけだし。それより迂闊だった。この駅で待ち合わせしようとしたのが間違いだった。俺のせいで怖い思いをさせてしまってごめんな」

悔いるように目を伏せる。

「テツのせいじゃないよ。私だって油断してたし。それにテツのお陰で私は助かったんだから気にしないでね」

恵利さんと食事をした時に斉藤さんを見かけたのは二週間ぐらい前。
あの時は会社から離れていたし、向こうには気づかれていかなかったこともあって軽く考えていた。
何より、まだお弁当を買いに来ているという話を聞いていたので、斉藤さんがストーカーというのは勘違いなのかもという思いがあった。
これは私の落ち度だ。

「とりあえず、これでストーカー問題も解決だな」

そう言われてハッとした。
ストーカーのことがあったから、私はテツと一緒に住むことになったんだ。
それが解決したということは、もう同居の必要はないということだ。

どうしたんだろう。
ストーカー問題が解決して嬉しいはずなのに心は晴れない。

テツとの生活が居心地良くて、それが解消されるのが嫌だと思う私がいた。

「そう、だね。私がテツの家にいさせてもらう理由もなくなったから……」

出て行くべきだ。
でも、その言葉が出ない。

「何言ってるんだ。俺たちは恋人同士だから離れる必要はないだろ。俺はこれからもずっと一緒にいたいと思っているし」
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