再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「さぁ、私はつくねが好きですけど。おススメは店員の人に聞いたらいいと思いますよ」

「つくねですか!確かにさっき食べてましたよね。後で頼んでみます」

そう言って私のお皿の上に置いてある、つくねを刺していた串に視線を落とす。

「僕、気に入ったお店があったらそこばかり通いたくなるんです。これだ!と思ったら他のものが一切目に入らなくなって、周りからお前は一途だなと言われてます。この店も気に入ったのでこれから頻繁に通うと思います」

返答に困ることを話さないで欲しい。
ホント、どうでもいい情報で私には関係ない。
どうぞ好きに通ってくださいって感じ。
それより、この人はいつまで話しかけてくるんだろう。
目の前に座っているさつきも怪訝そうな表情でサラリーマンを見ている。

「あっ、すみません。あなたを見かけて嬉しくなって長々と話しかけてしまって」

「いえ……」

「あの、お名前だけでも教えてもらっていいですか?僕は斉藤一馬と言います」

えー、どうして名前を言わないといけないんだろう。
やっと解放されるかと思ったら、まさかの言葉に唖然とする。
ただの惣菜屋の店員とそのお客さんなのに。

「夏木です」

先に名乗られたので渋々口を開く。

「ナツキさんですか!可愛い名前ですね」

可愛い?
もしかして私の苗字を名前と勘違いしたのかな。
まぁ、いいか。
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