惑星のダンス
無言で佇んでいると海が気づいて手を振った。

手を振り返していると視線を感じて、そちらに目をやる。

天と目が合った。

彼はわかりやすく焦って目を逸らす。そのまま階段を降りていってしまった。

……そんなに驚かせたのだろうか。

まあ驚くか。同業の女子と同じ高校、どころか同じクラスであると、入学から半月知らなかったのであれば。

愛の意思で黙っていたわけではないのだが。

「ごめん、お待たせ。行こうか」

「うん。おつかれ、二人とも」

じゃあ誰の意思かというとこの男、海である。

今日は一段と楽しそうだ。疲れているはずなのに頬が緩んでいる。

彼と並んで立つもう一人の男、スイ──彗は、眠たげな眼を隠しもしない。並んで、というより、海に寄りかかっている。

通常営業だな、と愛は歩き出した。
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