Breath
「もう、いつまでも泣いてちゃダメだよ。」

と、私の肩を持ち後ろへくるりと回す。

「何?」

と振り返り、海咲に言ったけどニヤニヤしてるだけ。

「ほれ」

と顎で前を向けと言う海咲。

何なのよと前を向くと、頭をポリポリと掻いている結翔がいた。

「結翔?」

と呼ぶと、いつもの優しい声で

「凛彩…久しぶり」

と言った。

「久しぶり…だね、元気?」

「うん、俺は元気、凛彩は?」

「私も元気だったよ。」

「良かった、けど少し痩せた?」

たった3キロ痩せただけなのに分かってくれるんだね

「ううん、大丈夫だよ、あっごめんね、急に来ちゃって…」

「ううん、嬉しいよ。」

「久しぶりにライブ観れて良かったよ。」

「ありがとう、凛彩電話番号変わった?」

「電話番号?変わってないけど…」

「明日、電話していい?」

「いいけど…」

と、取りあえず別れた。

海咲はニヤニヤしながら、

「さぁ、温泉に出発だ~」

と元気良く歩き出した。
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