【短】君と、もう少し
そこには何故か学先輩もいて、にこにこと笑っている。
「…えっと…」
「遥ー?なんか、随分楽しそうじゃん、最近!」
「えっとぉ…」
恥ずかしいなと思っていて、そう言えばここの所の展開を舞にちゃんと話していなかったことを反省する。
「ま、舞!ごめんね?なんか、全然話せてなくて…」
すると、舞は全く気にしてないと言わんばかりに首を横に振ると、にぃーっと笑う。
「いいじゃん。ちゃんと鳴海先輩捕まえたんだもん。これでどっちからも逃げてたら、速攻で親友辞めてたけど」
そして、舞は私の頬をぷにっとつまんでから、少しだけ意地悪く、
「は、る、か…幸せになんなさいよ」
と、鳴海…いや、…孝介先輩の声色を真似て私の名前を呼んだ。
「〜〜?!」
それにボボッと反応して顔を赤くすると、隣にいた学先輩が口を挟んでくる。
「鳴海が毎日言ってる。『遥がずーっと可愛い』って」
…先輩のおしゃべりー!
そう言いたいのをぐっと我慢して、二人の様子を伺うと、舞も学先輩もなんだか優しい眼差しを私に向けてくる。
「な、何…?」
付き合いの長い私としては、なんだか嫌な予感しかない。
「遥さ、自分の気持ちには素直にね?」
「え…?」
「そうそう。傷つく事が分かってて、そっちに傾くよりもさ、自分の今の気持ち大切にした方がいいよ?」
そう言って、学先輩は一つ私の頭をぽん、と叩いた。