【短】君と、もう少し
「遥、ほんとに、ちゃんと幸せになんなよ?」

「舞……」

「そ。傷付いた分、遥ちゃんは幸せになる権利があるよ…」

「どうして……?」


それを知ってるの?
と、聞きたかったけれど…かたん、と開いた屋上の扉の方を見て、私はあぁそういうことか、と思った。


そこには、いたたまれない顔をした淳太が立っていて。


「……遥…その………悪かったな」


とだけ言われた。
私はなんと言っていいのか分からず、淳太の顔をじっと見つめることしか出来なかった。

でも、それが私の答えだと思ったのか、淳太はペコリと小さく頭を下げて、後ろを向いて屋上から出て行こうとする。

だから、私はその後ろ姿に、精一杯の言葉を掛けた。


「こっちこそ…ごめんね…」


それを聞くと、淳太は一瞬泣きそうな顔をこちらに向けてから、後ろ手で私に手を振って、去って行く。


それから、私は無性に泣きたくなって、俯いた。
すると、学先輩が穏やかな声で私に告げる。


「ほら、遥ちゃんにとって、本当に大切なやつの登場だよ」



と。


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