飛鳥くんはクールなんかじゃない
あまりにも大きな花火大会だから、いつも会場近くの公園まで行って、そこから空を眺めてた。
もっと近くで見てみたい気持ちもあったけれど、物心ついた頃から飛鳥くんの家と私の家でみんな一緒に行ってたから、それが恒例みたいになってて。
「行くか?」
飛鳥くんのその一言に、「えっ」と顔を上げた。
「地味に会場には行ったことなかっただろ。それに、毎年家族みんなでだったし」
それは、つまり、そういうことなのかな。
「……2人で一緒に行けるの?」
「バカ。それ以外にないだろ」
よほど私の質問がおかしかったのか、飛鳥くんは私の頭をポンと撫でて笑った。
うそ、本当……っ?
不意にできた約束に、ふわっと気持ちが浮く。
好きな人と出かけられるってだけでこんなにも嬉しい気持ちにさせてくれる飛鳥くんは本当にすごい。