飛鳥くんはクールなんかじゃない
私たちがあまりにも拍子抜けしていたからか、菊川くんはおかしそうにクスクスと笑った。
「驚くのも無理ないよ。僕たちは二卵性だから顔も似てないし。雰囲気は似てるってよく言われるけどね」
「いやー……双子ってのは聞いてたけど、美人だね、一華ちゃん」
堀田くんの言う通りだと思った。
遺伝子っておそろしい。菊川家は全員美人という決まりでもあるんじゃないかってくらい。
ぱっちり二重にぷっくりとした唇。髪色は菊川くんと同じ茶色だけれど、天然かパーマなのか、ふわふわしている。
「俺、掘田海。海って呼んでね。会えて嬉しいよ」
さっそくスイッチが入った掘田くんは、完璧な王子様スマイルで一華ちゃんに話しかけていた。
人見知りなのか、一華ちゃんは少し押され気味。