飛鳥くんはクールなんかじゃない
ポロリと出た言葉。
「あ、ごめん花帆。いま何か言った?」
「へっ、あ、ううん。なんでもないよ」
自分自身も驚いてしまったけれど、それが素直な気持ちだった。
飛鳥くんはモテるから、いつか近い未来きっと彼女ができる。そのとき私は、一体どうすればいいんだろう。
なんだか一度考え出したらキリがなくて、ぐるぐると考えていると全然勉強に集中できなくなってしまった。
うー、これは困った。
「花帆。アイスでも食べに行こっか」
そんな私に気付いてくれたんだろう。
凛ちゃんは、笑って気分転換を提案してくれた。
「え、いいの?」
「もちろん。ここ数日ずっと頑張ってるし、ご褒美あげても神様は文句言わないでしょ」
そう言ってにこりと笑う凛ちゃんの方が神様だ。凛ちゃんは私を甘やかしすぎる。もう、大好き。