飛鳥くんはクールなんかじゃない
「……」
少し。ほんの少しだけ胸がチクっとした。
けどこれは絶対、さっきの凛ちゃんとの会話のせいだ。だから気にしない。こんなの気のせい。
「あっ、花帆!アイス溶けてる!」
「へ!?わっ……と、危ない危ない」
凛ちゃんの声で、垂れてきたアイスを反射的に舌でキャッチ。
制服にこぼしたら大変だ。
「珍しいね、花帆が渡くんのことそんなに気にするの」
「そんなことな……いや、あるかも」
「素直〜」
ニヤニヤする凛ちゃんに苦笑しながらも、やっぱり気になってしまう自分がいる。
気のせいだと言い聞かせても、全く言い聞かせられていない。