飛鳥くんはクールなんかじゃない
「どうする?追いかける?みんなのこと」
「ううん。あとで飛鳥くんに聞いてみる」
「そっか」
凛ちゃんはそれ以上この話をすることはなく、あとはずっと学校や今食べているアイスのことをただひたすらに話していた。
帰ったら、ちゃんと自分の口で飛鳥くんに聞こう。
暗くなった頃に私たちはバイバイをして、それぞれ岐路に立った。
電車に乗って揺られながらも考えるのは、飛鳥くんのこと。
このままモヤモヤしてても拉致があかないよね。
一旦家に帰ってから飛鳥くんに会いに行こうと思ったけれど、やっぱり変更。
自分の家の前まで着いた私は、そのまま自分の家には入らず、隣の家のインターホンを押した。