飛鳥くんはクールなんかじゃない
亜子さんと2人で囲んだ食卓で食べる晩ご飯は、とっても美味しかった。
学校での飛鳥くんのことや、友達のことをたくさん話していると、時刻はもう20時を回っていた。
……飛鳥くん、遅いな。
「花帆ちゃん。片付けはいいから、飛鳥の部屋で待っていたら?もうそろそろ帰ってくるだろうし」
「え、でも……」
「いいのいいの。ゆっくりしてて?」
亜子さんに背中を押されて、私はリビングから2階の飛鳥くんの部屋に移動した。
「……ここ、だよね?」
飛鳥くんの部屋なんて、何年ぶりだろう。
中1のとき以来かもしれない。
確か、階段を登って左側のこの部屋で、合ってるとは思うけど。