願い婚~幸せであるように~
ちょっと心配そうな表情をしているように見える。帰ってくるのを待つのではなく、メッセージで話しておけば良かったかも。


「平原淳平といって、私の従兄です」

「同じマンションに住んでいるの?」

「はい。階は違うんですけど。実はこっちの大学を受験することを母に反対されて、その時に淳平がいてくれて……」


同じマンションに住むことになった経緯を細かく説明した。部長は運転しながら、聞いてくれた。

母には一昨日の夜、結婚することになったと話した。突然のことに驚いて、近々上京するとも言っていた。結婚相手の顔が見たいそうだ。

そのことも部長に話す。


「こちらからご挨拶に行くべきだとは思っているけど」

「私も私たちが行くのがいいかと思ったんですが、早くに顔が見たいからと言っていて。で、明日の夜に来ます」

「明日? 急だね。まあ、急なのは俺たちだけど。夜なら時間作れるから、挨拶させてもらうよ」

「ありがとうございます。出来たら、明後日の夜がいいのですが」

「了解。スケジュール調整して、明日連絡するね」


ふたつのマンションを見たあと、夕食をとるために中華レストランに行く。予約してくれていた奥の個室に案内された。
< 43 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop