願い婚~幸せであるように~
若い……。多分加藤さんより若い。それなのに、部長?

無表情で話してはいるけれど、早奈子さんが言うように確かにイケメン。かなりと言われたら、かなりなんだと納得できてしまうほど、かっこいい。


「こちらが後任の方ですか?」

「はい。あ、私の下の名前は早奈子です。で、彼女が後任の平原です。……平原さん? 和花ちゃん? ご挨拶しないと……」

「えっ……、あ! 申し訳ございません。はじめまして。私、平原和花と申します」

さりげなく自分の名前をアピールした早奈子さんに肩を揺さぶられて、今の置かれている状況に意識を戻す。

顔立ちというよりも若いことにビックリして、見つめてしまっていた。慌てて立ち上がり、名刺を差し出す。茅島部長も同じように名刺を渡してくれた。


「平原と申します。今後、よろしくお願いいたします」

「茅島です。こちらこそ、よろしくお願いします。平原和花さん……」


茅島部長は私の名前を声に出し、手に持ってい名刺と私を見比べて、首を傾げた。

なにかおかしい部分があっただろうか? ごく普通の名刺のはずだが。


「昔、園本さんではなかったですか?」

「えっ? そうですが……」
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