ママの手料理
これ以上何か言うことも出来ないし、何しろ琥珀が私の気持ちを分かってくれた事が何よりも嬉しくて。


彼なら、私の分も復讐してくれそうだと思った。



「…と、言う事で。僕らがOASISに行っている間に紫苑に何かあったら元も子もないから、…伊織、出来るね?」


私に少し同情するような表情を見せた後に真っ直ぐに湊さんを見つめる伊織の目は少し悔しそうで、でも揺らぎがなくて。


「もちろん。…俺が紫苑と笑美の面倒を見るよ。何かあったらちゃんと守るから、安心して」


「…ごめんね、でもありがとう」


伊織の力強い言葉を聞いて湊さんは笑みを浮かべ、私は感謝の言葉を口にした。


私も彼に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだけれど、こればかりは仕方の無い事だから。




「で、僕らは6人でOASISのアジトに入ることになる。時刻は…3時位からでどうかな?今回はただの盗みじゃないからいつまで続くかは分からないけど、夜までには終わるだろうし」


「それで良いんじゃねぇか?正直、盗みに入れるなら時間なんてどうでもいいしな」


そして空気も穏やかになり、トントン拍子で話は進んでいく。


湊さんの話に、銀ちゃんがにやりと笑いながら頷いた。
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