ママの手料理
「…俺さ、決行日の前に告白しようか迷ってるんだよね………琥珀に」


その低い声は、蚊の鳴くような弱々しいもので。


「告白…、?」


男子から恋愛相談を1度もされた事がなかった私は、一瞬ぽかんとしてしまった。


私も驚いてどう反応したらいいか分からないけれど、とりあえずこれだけは聞いてみる。


「…気持ちは、もう固まってるの?」


「うん、もうずっと前から固まってる。…何て言うか、あいつが絶対にOKしないのは分かってるんだけど、」


即答だった。


「琥珀がOASISを毛嫌いしてるのは紫苑ちゃんも分かるでしょ?…mirageの人数は明らかにOASISに比べて少ないし、琥珀がもし無茶して怪我負ったり病院送りになったら多分…死ぬとは思えないけど、告白するには手遅れになると思うんだ、」


言い訳を介しながらも目線を下げたまま説明する彼の声色からは、琥珀を1人の人間として想っている事が嫌でも伝わってくる。


病院送りだなんて不謹慎だけれど、これから私達が行おうとしていることはそれ程のリスクも背負っている。


「今もずっと琥珀は殺す殺すばっかり言ってると思うんだけど、あれは絶対本気だよ。琥珀は自分の右腕を銃で撃った犯人を見つけ出して、何がなんでも殺そうとしてる。…あんなに怒り狂ってる琥珀に今告白したところであしらわれるに決まってるけど、でも」
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