アンバランスな苦悩
鞄を机の上に置き
机に鍵をかける

保健室の電気を消すと

ベッドにいるスミレを見に行った

「腹は?」

「痛い」

「本当に?」

「触ってくれたら
治る」

「保健室の鍵はあいてる
電気は消したけど
カーテンはしまってない

だから
俺は保健医の小泉 瑛汰として
スミレと話をしている」

「それでも
私は瑛ちゃんと
話をしてる」

スミレの目を見て
体を見て

俺が
我慢できないのを

スミレは知っている

だから
俺を誘う

どんどんと
スミレの欲求が増していくのが
わかる

このままじゃ
いけない

桜さんに
知られてしまう

そう思っていても

スミレの想いを
受け入れてしまう

俺がいた
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