アンバランスな苦悩
「桜さんのところに行くから
駅までしか
送れないよ」

「わかってる」

そう言って
スミレは俺の車に乗った

「ありがとう
先生」

駅につくと
スミレは車から降りた

俺に笑顔で手を振って

人ごみの中に埋もれて行った


俺はハンドルに顔を
伏せた

こんなんじゃ
いつか

桜さんに
知られてしまう

それが
怖い

桜さんに
早く
新しい男は
できないのだろうか

まだ
桜さんは

俺との同棲を
楽しみに待っている

早く
俺から興味を
そらして欲しい
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