香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
スマホのこと聞かれるかと思ったけど、アレンはまたサイモンに視線を戻す。
すると、今度はサイモンがチラリと私を見た。
「公爵令嬢ってみんな朝寝坊するのかと思ったぜ」
朝から嫌みを言われ、ハハッと苦笑いする。
彼ももう私の正体知ってるんだ。
その時、サイモンが「うっ!?」と呻いて剣を落とした。
「どうした、サイモン?」
アレンがじっとサイモンを見据えて聞くが、サイモンは「いや、なんでもねえ」と言って剣を握る。
再びアレンと剣を交えるが、またサイモンの手から剣が落ちた。
「いってー!」と声を上げてサイモンは右手を押さえる。
「大丈夫か?」
アレンがサイモンに駆け寄り、その手を取ると、サイモンは顔をしかめた。
「うー、いってー。手が痺れる」
「これは腱鞘炎だな」
サイモンの手の具合を見てアレンがそう告げる。
ネロもサイモンの元へ行き、落ちた剣を拾い上げた。
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