香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
アレンの目を見て頷き、そう説明すれば、サイモンがいちゃもんをつけた。
「レモンで痛みがなくなるなんて聞いたことねえぞ」
「痛みがなくなるとは言ってません。レモンの香りで心が安らいで、痛みもおさえられるんです。その眉間のシワも治るかもしれませんよ。痛かったら言って下さいね」
こちらも笑みを浮かべて応酬すれば、彼がギロッと私を睨んだ。
「痛くしたらしばく」
おお、怖い!……なんて思ったが、すかさずネロがサイモンにウーッと唸ってつい笑ってしまった。
だって、サイモンがネロを見てビクビクしているから。
「お、おい、早く始めろよ」
「はい」
ニコッと微笑んでサイモンの手のひらをマッサージ
する。
アレンの時も思ったけど、彼もやっぱり戦士だね。
大きくて、分厚くて……いつも剣を持っているからか、手のひらは豆だらけで、表面が固い。
< 108 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop