香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
耳元で彼の声がしてドキッとする。
「お前ら……いちゃつくなら俺のいないとこでしろよ」
サイモンが面白くなさそうに言って、剣を手に持ちスタスタとこの場から去る。
「いちゃつくって……」
サイモンの後ろ姿を呆気に取られながら見ていたら、アレンが楽しげに目を光らせた。
「サイモンもクルミのマッサージが気に入ったようだ」
「だといいですけど。サイモンとはとても親しそうですね?」
普通、王太子殿下にあんな失礼な口は聞けないと思う。
でも、アレンは怒ることなく、穏やかな顔でサイモンに接している。
「サイモンも君のお兄さんも俺の幼馴染だ」
アレンの返答に、私は相槌を打った。
「そうなんですか。小さい頃の三人、見てみたかったなあ……あっ!?」
思わず失言をしてしまい、慌てて口を押さえる。
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