香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
でも、よくよく考えてみたら私は記憶喪失ってことになってるから、小さい頃の三人を覚えていないってことでいいのか……な?
あ~、もう自分でも訳がわからなくなってきた。
「俺は小さい頃のクルミを覚えている」
アレンはじっと私を見つめて言う。
その青い瞳に見つめられると、落ち着かない。
きっとそれは山本胡桃ではなく、公爵令嬢のクルミの話だ。
親友の妹だし、小さい頃を知っていてもおかしくない。
「木登りが苦手のようだった」
昔を懐かしむように語るアレンの目が優しくて、なんだか胸がキュンとなる。
何をときめいているの、私は。
アレンは公爵令嬢のクルミの話をしただけじゃないの。
でも、名前以外にも本物のクルミとの共通点を見つけたわ。
彼女も私と同じで木登りが苦手だったのね。
「それと、動物には優しかったな」
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