香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「はい、ありがとうございます」
私が礼を言うと、彼は私の髪を一房掴んでチュッとキスをする。
そんなことをしても全然気障に見えないところが、アレンらしい。
唇にキスをされたわけでもないのだけれど、カーッと顔の熱が上がった。
「では、またあとで。愛しい婚約者殿」
アレンはフッと微笑すると、ロイドとネロと一緒に城の中に戻って行く。
そんな彼らの後ろ姿を見送っていたら、セシル様の息子達が寄ってきた。
「ねえ、ねえ、その瓶には何が入っているの?」
「僕達に見せて〜」
可愛い声で話しかけてくる双子の兄弟がすごく可愛い。
「瓶には香油が入っていて、いい匂いがするのよ」
そう説明して、さっきサイモンに使ったレモンの瓶の蓋を開ける。
「ホントだ。レモンの匂いがする」
「他にはどんなのがあるの?」
「これはバラの香りがするよ」
< 113 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop