香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
これでいいんだ。
これで……全て上手くいく。
アレンもエマ王女も……みんな幸せになれる。
その後、お風呂に入り、朝食を食べるが、なぜか気分が沈んだ。
城から出たいって思っていたのにな。
気分を変えたくて、昼食の後、セシル様のお部屋に行ってアロマトリートメントをした。
「ねえ、朝食の時もそうだったけど、なんだか元気がないわね?」
ベッドに横になっているセシル様が私に目を向ける。
「慣れないお城の生活にちょっと緊張してしまって」
彼女の背中をマッサージしながら笑って誤魔化した。
「お城だからって緊張することはないわ。もうここはクルミの家よ」
……家。
思いもよらぬ優しい言葉に涙がポタポタッと零れ、マッサージしていた手が止まった。
「クルミ?」
不思議に思ったのか、セシル様が私の名を呼ぶ。
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