香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「ちょっと、そこの椅子に腰掛けてください」
近くの椅子を指差すと、大声でロイドを呼んだ。
「ロイド〜!」
すぐにドアの外からドタバタと音が聞こえて、ロイドが現れる。
「ロイド、また桶にお湯を持って来て。アレンの足湯に使うの。ロイドなら出来るわよね?」
前回のレッスンを忘れず、女王様口調で言えば、彼は「俺に不可能はない」と言って、また部屋を飛び出した。
私とロイドのやり取りを見ていたアレンが呆気に取られた様子で私に聞く。
「ロイドの使い方、誰に習った?」
「セシル様です、えへへ」と答えてペロッと舌を出せば、アレンはフッと笑った。
「いい味方をつけたな。ネロといい、姉といい、お前は不思議と懐柔が難しいものに好かれる」
「え?そうですか?ネロは可愛いし、セシル様も本当のお姉様みたいにお優しいですよ」
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