香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
うちの百人からなる騎士団を連れて、この日の宵の刻にパルクレールを出立した。



馬を休みなく走らせ、ハーネスの都に着いたのは次の日の明け方。
ハーネスは城壁の街。
この国に入るには大きな城門を通らなければならない。
門の前には兵が四人。
そのまま馬を走らせて強行突破する。
だが、兵のひとりが警笛を鳴らし、中にいた兵が集まってきた。
矢が飛んで来る中を剣で避けながら走り抜けると、空に鷹が円を描くように飛んでいる。
そこには赤い建物があった。
あれは……ロイドの鷹。
「多分、あの赤い建物の中にクルミがいる。向かうぞ」
他のふたりに声をかけ、目的地に向かうが、その時、その建物の周囲から一斉に煙が上がった。
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