香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
セシル様は私から離れると、アレンを見て口角をあげた。
そんな彼女の弄りにも動じず、アレンは我が物顔で私を抱き寄せゆっくりと微笑んだ。
「ええ。姉上に言われるまでもないですよ。肌がしっとりしてて、すべすべで、シミひとつなくて彼女は最高ですよ」
「ちょっと、ここでなに言ってるんですか〜!」
顔を真っ赤にしてアレンの胸をボコボコ叩けば、彼に身体を担ぎ上げられた。
「え?ちょっと!なんなんですか!この体勢!」
アレンに文句を言ったその時、ロイドが慌ただしい様子で走ってきてアレンに告げた。
「アレン様、薬草風呂の準備が出来ました!」
「ご苦労。では、姉上、汗を流したいので失礼します」
私を肩に担いだまま歩き出すアレン。
「え?お風呂〜!セシル様〜、アレンを止めてください〜!」
「アレンによ〜く身体を洗ってもらいなさいね」
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