香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「元の世界に戻れる?本当ですか、アレン?」
興奮し過ぎてバシャンと水音を立てて立ち上がるクルミを見てニヤリとした。
上半身が丸見え。
「いい眺めだな」
「わ〜!きゃっ!」
クルミは胸を隠して再びお湯に浸かり、赤面する。
「もう〜、全然いい眺めなんかじゃありません!痣だらけだし」
「では痣が治れば問題ないじゃないか」
「そういう問題じゃありません!話の腰を折らないでくださいよ!もう〜!」
手で顔を隠して大騒ぎする彼女に”元はと言えば、クルミが急に立ち上がったのがいけない”と突っ込もうとしたがやめた。
これから話すことは落ち着いて聞いてもらう必要がある。
「この城の中にある聖殿には異世界に通ずる鏡がある。俺も十二年前、その鏡を通って異世界に行った」
俺の話にクルミは目の色を変え、俺の両腕をガシッと掴んだ。
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