香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「前にも同じようなことを言いましたが、なんでもひとりで背負うのは駄目ですよ」
「では、一緒にいたい人がいなくなったらどうすればいい?」
急にアレンが真面目な声で聞いてきて、固まった。
「え?」
それって私のこと?
聞き返すが、彼はわかりやすく説明してはくれない。
「いや……なんでもない」
そう言って黙り込むアレン。
私もなにも喋らずマッサージしていく。
背中、頭とやっていくうちに、彼の身体から徐々に力が抜けていくのを感じた。
アレンのデコルテをマッサージしていると、スーッと彼の寝息が聞こえてくる。
しばらく施術して、彼の目にかかっている布をそっと外した。
綺麗な寝顔。
そうだ。写真を撮っておこう!
ドレッサーの引き出しからスマホを取り出して彼の寝顔を撮る。
パシャと意外に大きな音がして焦ったが、彼の目は閉じられたまま。
セ、セーフ。
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