香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか？

私の質問に彼はベッドから起き上がりながら答える。
「ああ。お陰でおさまった。感謝する」
「よかった。でも、定期的に肩とかマッサージした方がいいですよ」
そう勧めたら、彼がニヤリとした。
「もちろん、クルミが面倒を見てくれるんだろう。俺の頭痛は治ったから、今度は君の足だな。今どんな状態だ？」
足？
そう言えば、昨日捻って……。
施術に夢中で怪我のことなんか忘れてた！
「あ～、痛い！」
急に痛みを感じて屈めば、彼がベッドを降りて私の足元に跪いた。
「昨日手当てしたんだが、まだ腫れがひいてないようだな」
アレンは私の足にそっと触れて怪我の具合をみると、私を抱き上げた。
「うわっ、何をするんですか！」
抗議するが、彼にスルーされる。
「ロイド、風呂の湯に薬草を用意してくれ」
「はい！」