香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
だが、一番落ち込んだのは私だ。
慣れない生活に戸惑っていた。
上流階級の生活も楽ではない。
貴族の相手をするよりも、侍女や料理人の相手をする方が楽しかった。
父はそんな私を見て残念がったが、兄の見解は違っていて……。
「僕は今のクルミの方が好きだよ。前はなんでも出来たけど、なんというかプライドも高くてね。今のクルミはみんなに優しいし、亡くなった母上に似てきたな」
兄は優しくて頭もいい。
将来はいい公爵になるだろう。
私もこの兄のことが大好きだ。
この世界のことを聞くと、彼は嫌な顔をひとつもせず詳しく説明してくれる。
でも、私が違う世界から来たことを話したのだけれども、「夢でも見ていたんだよ」と、一蹴されてしまった。
お兄様は悪くない。
自分の妹が異世界から来たなんて信じられないと思うもの。
それに、この国で異世界のことを口にすることはタブーのようで、お兄様に「異世界の話は他の人には話してはいけないよ」と口止めされた。
慣れない生活に戸惑っていた。
上流階級の生活も楽ではない。
貴族の相手をするよりも、侍女や料理人の相手をする方が楽しかった。
父はそんな私を見て残念がったが、兄の見解は違っていて……。
「僕は今のクルミの方が好きだよ。前はなんでも出来たけど、なんというかプライドも高くてね。今のクルミはみんなに優しいし、亡くなった母上に似てきたな」
兄は優しくて頭もいい。
将来はいい公爵になるだろう。
私もこの兄のことが大好きだ。
この世界のことを聞くと、彼は嫌な顔をひとつもせず詳しく説明してくれる。
でも、私が違う世界から来たことを話したのだけれども、「夢でも見ていたんだよ」と、一蹴されてしまった。
お兄様は悪くない。
自分の妹が異世界から来たなんて信じられないと思うもの。
それに、この国で異世界のことを口にすることはタブーのようで、お兄様に「異世界の話は他の人には話してはいけないよ」と口止めされた。