ただ愛されたいだけなのに
天秤にかければ、どちらがいいかなんて一目瞭然。将来が確実でない正紀を待つより、バイトなんかじゃなくてしっかりと自立できるようになる方が自分の為。そうすれば貯金だってできる。
わたしはソファーにうなだれた。きっと、今でもわたしは欲を充分に満たしてるんだ。正紀を手放したくない。その欲で自分自身を堕落させている。今は我慢するしかない。
そんな調子が四日も続いて、とうとう正紀の冬休みは最終日を迎える。今日は一日中二人でいられる——と思いきや、チョコレートの話をしている最中に不運な知らせが入った。
正紀:なんか友達に呼ばれたわ
夢 :遊びに行くの?
正紀:遊びというか、何か用事があるらしい。
すぐ帰る!
わたしはしばらく呆然としていた。貴重な最後の休みを、正紀はわたしほど大事だとは思ってないらしい。
わたしも誰かと遊ぼうかな……ううん、正紀はすぐ帰るって言った。おとなしく待っていよう。それにわたしには気軽に遊べる友達なんていない。いるとすれば、冴えない男四人。どいつもみんな、彼女がほしくてたまらない、友達未満の輩。友達以上を望んでるバカ男だけ。