この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 ある程度寝た後、起きたらもう熱は引いていた。カーテンから差し込む光から、多分早朝辺りだろう。

 ジギスムントさんの診断結果に、ローデリヒ様は安堵したように息をついた。寝ていないのか目の下に隈が出来ている。

 私はというと、幾つか引っかかっていた事がある程度分かってスッキリしていた。けれどまだまだ状況理解が追い付かない部分もある。


「あの、パーティーはどうなったんですか?」


 襲撃されたのはパーティーが行われていた時だった。あの後仕切り直しでパーティー、なんて事は出来なかったはずだ。
 ローデリヒ様も重々しく頷く。


「ああ。流石にパーティーは中止。アルヴォネンの王太子夫妻には部屋に帰ってもらった。二人共納得していないようだったが」

「なるほど……。怪我した人とかは……?」

「皆、治癒魔法で治療済みだ。幸いにも死者はいない。貴女が一番重症だ」

「え……、マジか……」


 頭を抱えた。パーティー襲撃とは直接的に関係のない原因で一番重症……。なんだか申し訳なくなってくる。
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