この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
王城は警備している騎士達が沢山いる。沢山いても、アーベルは直系の王子だ。狙われていても、誘拐されていてもおかしくない。可愛いし。天使だし。まだ小さい……いや、今は16歳だけど。
もしかしたら不測の事態で赤ちゃんに戻ってしまってたり、なんかもある。
ああ、どうして私ってば、一人でお手洗いになんか行かせたんだろう?!
自然と急ぎ足になる。ほんの僅かな距離が堪らなく長く思えた。
だから、ローデリヒ様の姿を見た瞬間、心強さと不安がない混ぜになって、目の奥が熱くなる。鼻がツンとして、視界が滲むのを感じながら、思わずその広い胸に飛び込んだ。
ローデリヒ様に触れたことで、部屋の外でずっと身に付けていた結界のペンダントの効果が解けるのを感じる。
沢山の声が頭の中に流れ込んで来たけれど、そんな事は気にならなかった。
「ローデリヒ様!どうしよう?!アーベルがいなくなってしまったんです!」
「な……っ?!お、落ち着け。一旦深呼吸をしろ」
私を受け止めたローデリヒ様は、抱き留めたまま宥めるように背中を軽く叩く。
深く息を吸って、勢いと共に言った。
「アーベルがお手洗いに行って、一時間も帰ってこないんです!一緒にいた国王様が今思い当たる所を見てくるって仰ってて……」
「何故父上と一緒にいるんだ……」
もしかしたら不測の事態で赤ちゃんに戻ってしまってたり、なんかもある。
ああ、どうして私ってば、一人でお手洗いになんか行かせたんだろう?!
自然と急ぎ足になる。ほんの僅かな距離が堪らなく長く思えた。
だから、ローデリヒ様の姿を見た瞬間、心強さと不安がない混ぜになって、目の奥が熱くなる。鼻がツンとして、視界が滲むのを感じながら、思わずその広い胸に飛び込んだ。
ローデリヒ様に触れたことで、部屋の外でずっと身に付けていた結界のペンダントの効果が解けるのを感じる。
沢山の声が頭の中に流れ込んで来たけれど、そんな事は気にならなかった。
「ローデリヒ様!どうしよう?!アーベルがいなくなってしまったんです!」
「な……っ?!お、落ち着け。一旦深呼吸をしろ」
私を受け止めたローデリヒ様は、抱き留めたまま宥めるように背中を軽く叩く。
深く息を吸って、勢いと共に言った。
「アーベルがお手洗いに行って、一時間も帰ってこないんです!一緒にいた国王様が今思い当たる所を見てくるって仰ってて……」
「何故父上と一緒にいるんだ……」