この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「第七部隊は魔法を追跡しろ!アリサとアーベルの行方を追え!第八部隊は先程の魔法の解析を!おそらく固有魔法だ!犯人を絞れ!第六部隊は周辺の捜索をしろ!!」

 ローデリヒは腹の底から声を張り上げた。反射的に騎士達は動き出す。

「――残りの第三部隊は、私と共に事情聴取だ」

 拘束されて石畳に転がっている、襲撃者を冷たい目で見下ろした。



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 影に呑まれた筈だった。
 一寸は光が通らない闇に呑まれた筈だったのに。

「……え?どこ?」

 いつの間にか建物の中らしき場所にいた。石造りの壁は、結構雑に積んでいるのか隙間風が酷い。見た覚えが全くないので、どこか知らない場所なのだろう。
 当たり前だ。

「どう見ても、牢屋……」

 頭上のはるか上に鉄格子の小窓。そこから明かりが一応入るが、アーベルですらくぐれるか分からない狭さだ。
 まず部屋の三方は壁なんだよね……。残りの一方も小窓と同じの鉄格子。廊下が見えるけれど……、向かい側も牢屋みたいで鉄格子だった。

 そして、なんか雨漏りしているのか、……向かいは水浸し。その中に沈むように白いのが見えるような……?え……、骨……?なんの?
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