この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 陛下って国王様だよね?つまり私の義理の父親……、やだ怖そう。


「陛下がこちらに?」

「はい。奥方様とアーベル様に会いに来たと」


 不思議そうなヴァーレリーちゃんにイーナさんは頷く。私は自分を指さした。


「私?」

「ええ。顔を見ておきたいのだとか……」


 と、イーナさんが言い終わるか、言い終わらないかのうちに、廊下の向こうからドスドスと重々しい音が聞こえてきた。

 三人共思わずそちらの方を向く。

 金髪の男の人ーーオブラートに包んでぽっちゃり系の中年の男の人が、廊下を走ってこちらへ向かってきていた。


「なにあれ」
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