この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「にゃんにゃん!」

「にゃんにゃんだね〜」


 私の足元にいたローちゃんを指さして、はしゃいでいる。


「アーベルくんって結構よく喋りますよね」

「ああ。アーベルは天才だ。だが、まだカ行、サ行、ハ行、ラ行が言い難いみたいだがな。同じくらいの子供も似たようなものだから、これから話せるようになるだろう」


 流れるように親バカを披露されたけど、振り返ってみると確かにアーベルからその行の言葉は聞いたことがない。

 っていうか、キルシュライト語と日本語ほぼ同一視してるけど、今のところ全く問題ないんだよね。ずっと話してきた言葉って感じ。


「とーたま!」


 今度はローデリヒさんの方へと手を伸ばしたアーベルくん。ローデリヒさんは『父様』と呼ばれてとても嬉しそうに顔を緩める。

 そのままローデリヒさんに渡すと、ふと思い出したような顔を彼はした。
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