ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
嘘だよ。本当はもっと望みたい。

でも、それはかなり怖い賭け。

失敗すれば、僕は僕の全てを失う。

……美結を、失う。

怖すぎて考えたくもない。

「塚原もずーっと想と一位タイだもんな。中学んときも?」

「いや、全部じゃないよ。どっちかが一位でどっちかが二位ってのもあった」

「結局トップは独占してるわけか」

「そんで二人ともバスケ部のキャプテンだろ? なに、お前ら。コーディネーターなの?」

「コーディネーター? なにそれ」

小唄に訊き返すと、驚き顔をされた。

「え……有名なアニメネタだけど……想知んないの?」

「アニメとかあんま知らなくて……」

暇があれば、勉強しているか本読んでいるかだったから、テレビはニュースくらいしか見ない。

「なにこの子……! 末恐ろしいわ……!」

小唄が女言葉で言えば、東輝は僕に肩を組んで来た。

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