喪失姫と眠り王子

10年後








数十年後。









「こら!榻(ユカ)!そこは違うと言ってるだろ!」







「どこが違うんだよ!」









「榻さま。そのような口の利き方はいけません。」







「なんでー!王になる訳じゃないしいいでしょ」








「確かに」








「透さま」









二人の間には元気な男の子が生まれた。








歳はもう10歳になる。










「王さまが、お越しになります!」










皆は頭を下げお父さんを出迎えなければならない。






たとえ、夫だとしても。









「面をあげよ」









「「はい」」








「ってこれ何回しないといけないの?」








「王ですから」








「はぁー」








「昔は口調強かったとにな」








「作ってたの。そうしないと舐められるでしょ?」








「まーな」







「お母サマー」







「おー。相変わらず甘えん坊だね」








「いいじゃないですか!僕はお母様が一番大好きです」







「ほんと!良かった、私もよ」








「おい、俺だろ」







「うわ!大人気ない」







その場の空気は一段と騒がしくなった。







毎日が楽しい。







笑顔が溢れる世界。










ふたりの目指す世界はもっと明るくなること。









それを実現させるために今も動き続けていく。











あなたの隣の人は人間ですか?







もしかして妖怪だったりして……。







END
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