希空~空姫に希望を。~
大和さんが指定した時間になり、下っ端達が綺麗に並ぶ。
大和さん達4代目幹部が前に立ち、オレ達は下っ端の1番前に立っている。
「5代目希空幹部の就任式を始める」
硬く低い声が、倉庫に響く。
その後、真理亜さんが一歩前に出て、シイナに向かって手を伸ばした。
「5代目空姫―シイナちゃん」
「……はい」
事前に説明してあった通り、シイナは真理亜さんの手を取って幹部側に歩いていく。
真っ黒のシャツワンピースを着たシイナ。
フードをかぶったままでいたいというシイナに半ば無理矢理着せたその服は、シイナの肌の白さを際立たせるだけだった。
「北海、諷賀」
「はい」
「生田、響介」
「はい!」
「弓代、旋矢」
「はい」
「安城、守唄」
「はーい♪」
「七瀬調」
「…はい」
シイナがオレ達の名前を順に呼び、呼ばれた人から前に出た。
全員がシイナの前に並んだところで、諷賀が片膝をつきシイナに対してひざまずく。
諷賀がひざまずいた2秒後にオレ達残り4人も同時にひざまずく。
ちゃんと揃った、はず。
ここ揃わなかったらくそだせぇよな。
「空姫、シイナ様」
諷賀がひざまずいたまま、誓いの言葉をゆっくりと紡ぐ。
「我々5代目希空は、裏切ることなく、
欺くことなく、盾となり剣となり
貴女のことを守り抜くことを誓います」
ここまでは、初代が考えた誓いの言葉。
伝統でこの初代の誓いの言葉に加えてオレ達自身の言葉で誓いをたてる決まりとなっている。
そう、ここからが、オレ達5代目希空幹部で考えた誓いの言葉。
「そして、貴女の世界を色づけ、輝かせる為、
誠心誠意お仕えすることを誓います」
真っ黒な闇に染まったシイナの瞳に、色づいた世界を見せる。
それがオレ達が考えた目標だった。
世界を憎んだ鋭い雰囲気をまとった今のシイナも、ある意味綺麗だと思う。
でもいつか、この黒猫が世界を少しでも愛せるようになったら。
きっと今とは比べ物にならないほどのかわいい姿を見せてくれるはず。
希望が空になった少女を、オレが、オレ達が救うんだ。
改めてオレは決心した―――