希空~空姫に希望を。~
「姫って、誰でもいいんですか?」
「ダメだよ!1つだけ条件があるの」
諷賀の質問に真理亜さんの返事がすぐに返される。
条件…。
一体どんなものなんだろう…?
「キョウ。希空の意味は何だ」
威圧感溢れる総長の声が響く。
希空の…、意味…?
「き、希望のあふれているような
快晴の日にできた族の名前…?」
オレは希空に加入したときに教えてもらった族名の由来を答えた。
最初に聞いたときは初代の幹部メンバーは皆ロマンチストだったのか…と少しガッカリした。
でも希空で過ごしているうちに、空を見ると元気が出るし、倉庫で諷賀達とふざけるだけで希望が持てるようになった。
…オレは希空が大好きだ。族名も、中身も。
「ふっ。
それは本来の希空の意味じゃねぇ。」
「こっからはわたしからお話します!」
そう言って真理亜さんは1冊のノートを取り出し、読み始めた。
昔話をするね、と前置きをして―――