恋なんて。
今日は塾の日だから車で塾へ向かう。
あたしの行ってる塾は、市内の4つの学校から生徒が集まっている。
この塾の生徒は各学校では30位以内の人がほとんどで、毎年このあたりで頭の良い3つの高校へと進学する人が9割。
一学年、24人の1クラスしか入れない。
まー、要するにかなりレベルが高いってこと。
あたしは学校では1桁の順位をとっているけど、ここの授業についてくのが精一杯。
塾に着くと1番の仲良しの、楓香こと山田楓香が駆け寄ってくる。
「せーりーかっ授業の予習したあ〜??」
「うわっ、忘れてた。やばっ」
あたしはA中学、楓香はB中学に通っていて、学校は違うけど超仲良しなんだ。
「ばかじゃんお前。ノート見せてやろうか?」
笑いながらそう言ってくるのはC中学の惠こと高井惠。
塾の中では仲のいい方の男子なんだ。
「ありがと〜〜〜!一生感謝!」
「覚えとけよー」
「3分後には忘れてるけどね」
なーんてばかな会話をする仲。
「おまえらほーんと仲いいよな」
「あっ、優太!」
このバカの輪に加わってきたのは楓香と同じB中学の優太こと佐山優太。
うちら4人は自然と集まるバカ仲間なんだ。
「さー授業はじめるぞー」
「やばっ、先生きた、またあとで!」
そう言いながら席に着く。
うちの塾は定期テストの度に成績順に席を変えるんだ。
今の席は、あたしの隣が優太で、前が惠。斜め前が楓香という奇跡的な席。
ついつい、授業中に喋っちゃって怒られるんだよね。今日は気をつけなくっちゃ。
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