たとえ叶わない恋でも。


「でも、センパイには好きな人がいて…私の恋は叶わないって思ったら妹的存在でいいやって思ったんです、でも。でも!!

センパイにあんなに優しくされたら、諦めることなんてできないじゃないですか…っ」


一気に言って、肩で息をする。


止まっていたはずの涙がまた出てきて、止まることを知らない。


「……僕は」


言いかけてやめる。そしてもう一度「僕は」と言った。


「僕は、失恋してるんです。ずっと前に。春香さんから言われましたから。『私は永倉くんのことが好きだから』って。その時は普通に傷つきました。だから」





< 16 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop