浅葱の花びら
総司が倒れた時


心臓がドクリと嫌な音をたてた


怖い




自分が死ぬかもしれないと
恐怖に震えたあの時よりも
もっと、もっと



怖いと感じた




俺は、総司を失いたくない






きっと俺の両親も藤太郎に、俺に
こんな気持ちだったろう




優しく触れた唇に
一瞬にして恐怖心が消えた



俺が勝手に怯えていただけなのに
なぜか、総司が謝ってくる



ぐにゃっと総司の体が床に沈む



「そ…  じ」







懸命に絞り出した声は


総司に届かず、総司は意識を失った








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