美男子の部屋に保護されました
「じゃあ、これは俺から。」

タブレットを傍に置いて、大和さんは小さめの箱を取り出した。

白い箱にネイビーのリボン。

私は大和さんを見て尋ねる。

「これ、開けても?」

「もちろん。
開けてみて。」

大和さんに言われて、包みを解く。

中には、上品で素敵なリングが収まっている。

「これ… ?」

すごく素敵だけど、もしかしてプロポーズ?

「あ、違う。
いや、違わないけど、えっと、あの… 」

珍しく大和さんがしどろもどろになる。

なに? どういうこと?

「ごめん。
これはただのクリスマスプレゼント。
プロポーズは、ちゃんとするから。」

必死に言い訳をする大和さんがなんだかとてもかわいく見えて、「ふふ」と思わず笑みがこぼれた。

「大丈夫です。
素敵な指輪をありがとうございます。
付けてみてもいいですか?」

「あ、ああ、もちろん!」

大和さんが頷くのを見て、私は右手の薬指に指輪をはめた。

でも、それは私には少し大きめで…

「あ、サイズ合わなかった?」

大和さんは心配そうに覗き込む。

「少し緩いですけど、これくらい大丈夫です。
ありがとうございます。」

私が微笑むと、

「サイズ直しをしてくれるって言ってたから、
今度、一緒に行こう?」

と言ってくれた。
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