毒壺女子と清澄男子
そう言ってネイルを施した手で器用に点滴チューブの元に付いている機材のスイッチを切り、流量調節の緑色をした丸いジョグダイヤルをクルクル回して点滴を止める
ここから先は元看護師だけあって素早かった
腕から針を引き抜くと同時に洗面器へ針を放り込み、あたしの腕へガーゼを当ててそれを抑え込みながらテープで接着
「はい、オッケー。んじゃお客さん待たせてるからじゃーね」
「ありがとう、季樹」
「明日、仕事が終わったらちゃんと精検受けるのよ、頭打ってるんだから」
来た時と同様、カツカツとヒールの音も軽やかに病室を去った
中学時代は学校で一番のスケバンで毎日様々な地元校で行われるバトルに双子の妹の楽蘭(ララ)と参加し、相手のスケバンコンビを全裸にして辱しめる下町一強いコンビとして『鬼危裸羅』というあだ名が付いていたが、今となっては銀座の華やかな夜の蝶になったのだ
「季樹かっこいいよなー! 」
「そういや楽蘭は? 」
「楽蘭は今、四人目の赤ちゃんがお腹に居るってさー」
同級生の近況報告をのんきにしている場合ではない、このまま行けば点滴を外した事がバレるのは時間の問題だ
続いては勇次郎、父親がオーストラリア人の左官屋で地元でも有名なハーフのイケメン
だが、その頭の中身はどうしようもなく、成績は常に最下位だった
しかし顔とスタイルだけはいいので、小学生時代から常にモテモテで高卒の後は様々な女のヒモとして生きている
「俺はナースの気を引いてくるわ、その間に未菜が何とかしといてよ」
「了解」
勇次郎が病室を出て行くと、すぐにあたしは着ていたスーツへ着替えようとしたが未菜に止められる
「ちょい待ち! そのまま出たらバレるわよ」
「じゃあどうすればいいの」
「私と服を取り替えようか、で髪型も変える」
「サイズが違うでしょ」
未菜は身長154cm、対するあたしは168cm
未菜が今着ているワンピースなんか着たら、膝上10センチの大胆なミニワンピになる上、上半身がどう考えても入りそうにない
ここから先は元看護師だけあって素早かった
腕から針を引き抜くと同時に洗面器へ針を放り込み、あたしの腕へガーゼを当ててそれを抑え込みながらテープで接着
「はい、オッケー。んじゃお客さん待たせてるからじゃーね」
「ありがとう、季樹」
「明日、仕事が終わったらちゃんと精検受けるのよ、頭打ってるんだから」
来た時と同様、カツカツとヒールの音も軽やかに病室を去った
中学時代は学校で一番のスケバンで毎日様々な地元校で行われるバトルに双子の妹の楽蘭(ララ)と参加し、相手のスケバンコンビを全裸にして辱しめる下町一強いコンビとして『鬼危裸羅』というあだ名が付いていたが、今となっては銀座の華やかな夜の蝶になったのだ
「季樹かっこいいよなー! 」
「そういや楽蘭は? 」
「楽蘭は今、四人目の赤ちゃんがお腹に居るってさー」
同級生の近況報告をのんきにしている場合ではない、このまま行けば点滴を外した事がバレるのは時間の問題だ
続いては勇次郎、父親がオーストラリア人の左官屋で地元でも有名なハーフのイケメン
だが、その頭の中身はどうしようもなく、成績は常に最下位だった
しかし顔とスタイルだけはいいので、小学生時代から常にモテモテで高卒の後は様々な女のヒモとして生きている
「俺はナースの気を引いてくるわ、その間に未菜が何とかしといてよ」
「了解」
勇次郎が病室を出て行くと、すぐにあたしは着ていたスーツへ着替えようとしたが未菜に止められる
「ちょい待ち! そのまま出たらバレるわよ」
「じゃあどうすればいいの」
「私と服を取り替えようか、で髪型も変える」
「サイズが違うでしょ」
未菜は身長154cm、対するあたしは168cm
未菜が今着ているワンピースなんか着たら、膝上10センチの大胆なミニワンピになる上、上半身がどう考えても入りそうにない