毒壺女子と清澄男子
「こういう時はちょっとしたアイテムで誤魔化すのよ、いい? 」
未菜はそう言うと自分のバッグからスカーフやカーディガン、ブローチやピンを出して、すぐに自分の服を脱ぐ
そしてあたしのスーツを着込みブカブカなブラウスの裾を縛り、スカートはウェストへ巻き込んでピンで止める
脱いだワンピースを渡し、あたしがどうにかこうにかもがいた末にやっと体を収めると背中のおっぴろがったジッパーを隠すようにフワッとカーディガンを被せ、超ミニスカートになっているワンピースの腰へスカーフを巻いてブローチで留める
「凄い……」
「1階の小物売り場とファッションフロアで磨いたデパガの知恵よ、さ、後はヘアよね」
日頃、動きやすい事とケアへ無駄な時間を費やさないように真っ黒なセミロングを維持しているのだけれど、半端な長さではアレンジの仕様がないと諦めていたのに未菜は自分の装着していた後頭部の丸いヘアピースを外し、自分はモードな印象のアシンメトリーなショートカットに戻すとそれをあたしの束ねた髪へくっつけてしまう
「カレが切ってくれたんだけどさー下北のサロンだからちょっと仕事場でこれはまずいでしょ」
「未菜、美容師と付き合ってるの? 」
「そ、しかも5才も年下の~」
「大丈夫なの? 3Bだし、年下だけど」
3Bとは 美容師
バーテンダー
バンドマン の略
この3職の男は浮気性とヒモ気質が多くろくでなし率が高い
女子短大を出て堅実にデパートへ就職するという道を選んだ未菜が引っ掛かるとは……
「あー、まあ大丈夫よ。すっごい不細工だから」
「不細工って……」
「写真はーって、今そんな事してる場合じゃないでしょ。早く行こう! 」
去年の同窓会以来久しぶりに会ったので聞きたい事もたくさんあったが、それどころではない
変装を済ませてビジネスバッグと竹虎屋の羊羮を持って、病室を出ると……そこはナースステーションだった
が、勇次郎がいつの間にかその中へ入り込み、美人ナース達とスマホを振り合っていた
未菜はそう言うと自分のバッグからスカーフやカーディガン、ブローチやピンを出して、すぐに自分の服を脱ぐ
そしてあたしのスーツを着込みブカブカなブラウスの裾を縛り、スカートはウェストへ巻き込んでピンで止める
脱いだワンピースを渡し、あたしがどうにかこうにかもがいた末にやっと体を収めると背中のおっぴろがったジッパーを隠すようにフワッとカーディガンを被せ、超ミニスカートになっているワンピースの腰へスカーフを巻いてブローチで留める
「凄い……」
「1階の小物売り場とファッションフロアで磨いたデパガの知恵よ、さ、後はヘアよね」
日頃、動きやすい事とケアへ無駄な時間を費やさないように真っ黒なセミロングを維持しているのだけれど、半端な長さではアレンジの仕様がないと諦めていたのに未菜は自分の装着していた後頭部の丸いヘアピースを外し、自分はモードな印象のアシンメトリーなショートカットに戻すとそれをあたしの束ねた髪へくっつけてしまう
「カレが切ってくれたんだけどさー下北のサロンだからちょっと仕事場でこれはまずいでしょ」
「未菜、美容師と付き合ってるの? 」
「そ、しかも5才も年下の~」
「大丈夫なの? 3Bだし、年下だけど」
3Bとは 美容師
バーテンダー
バンドマン の略
この3職の男は浮気性とヒモ気質が多くろくでなし率が高い
女子短大を出て堅実にデパートへ就職するという道を選んだ未菜が引っ掛かるとは……
「あー、まあ大丈夫よ。すっごい不細工だから」
「不細工って……」
「写真はーって、今そんな事してる場合じゃないでしょ。早く行こう! 」
去年の同窓会以来久しぶりに会ったので聞きたい事もたくさんあったが、それどころではない
変装を済ませてビジネスバッグと竹虎屋の羊羮を持って、病室を出ると……そこはナースステーションだった
が、勇次郎がいつの間にかその中へ入り込み、美人ナース達とスマホを振り合っていた