秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

せっかく手に入りそうな夏菜が木谷との過去のせいで俺のものにならないんじゃないかってあせって言う俺に、夏菜は言った。

「はい。」

そして、俺の胸に顔を埋めた。

「わかってくれた？それより、夏菜。木谷と何があったか話せないかな？いや？」

できれば話して欲しかった。
夏菜を苦しめてるのが何なのか…？

「わかりました。話します。」

夏菜は顔を上げた。

夏菜の話は要約するとこうだった。

高2のとき、勢いで付き合っていた木谷に、夏休みに木谷の部屋でキスをされて、その気がなかった夏菜は逃げてしまい、その後、学校でみんなの前で、やってもいないのに、一回やったら飽きたようなことを言われ、ずっとみんなからも後ろ指を刺されて苦しんでいたと…。

「それはつらかったな。」

たしかにそれはひどい。
俺はもしここに木谷がいたら殴ってると思った。

「あまりの手のひらを返したみたいな木谷くんの態度にわたしはもう男性を信用できなくなって…恋愛なんて…ってずっと思ってすごしてたんです。」

夏菜の顔はちょっと歪んでいて、昔を思い出すだけでしんどいのだろうと思った。